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尾崎 卓郎; Gillow, J. B.*; Francis, J. A.*; 木村 貴海; 大貫 敏彦; 吉田 善行
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.950 - 953, 2002/11
微生物とユーロピウム及びキュリウムとの相互作用についての研究を行った。微生物試料としては、一般環境中に生息すると高濃度の塩の存在下でのみ生育するHalobacterium salinarumを用いた。両元素の微生物体への吸着率をトレーサー法により調べた結果、が3から5の範囲では吸着量,吸着速度ともに高pHほど大きな値を示すことがわかった。また、両微生物間で、吸着平衡後の分配率(K)に大きな違いは見られず、両元素はほぼ等しい挙動を示した。微生物体に吸着したユーロピウムの状態を時間分解レーザー誘起蛍光分光法により調べた。蛍光寿命より配位水の数を求めた結果、に吸着したユーロピウムの配位水数はの増加とともに減少し、については逆の傾向が見いだされた。発光スペクトルの形状から得られる情報により吸着ユーロピウムの配位構造の複雑性を検討したところ、Bacillus subtilisに吸着したユーロピウムの配位構造の複雑性はの影響をほとんど受けないが、についてはの増加とともに複雑性が急激に増すことが示された。また、これらの結果から、に吸着したユーロピウムはBacillus subtilisに吸着したものよりも、より外圏型な配位構造を有することがわかった。
宗像 信生*; 檜枝 光太郎*; 宇佐美 徳子*; 横谷 明徳; 小林 克己*
Radiat. Res., 131(1), p.72 - 80, 1992/07
被引用回数:16 パーセンタイル:57.92(Biology)0.10.6nmの単色シンクロトロン軟X線と枯草菌に真空中で照射し、致死作用を測定した。得られた線量効果曲線より致死作用断面積のスペクトルを得た。その結果、0.31nmと0.58nmに、ピークがあることがわかった。それぞれカルシウムとリンのK殻吸収端に相当するエネルギーであることから、細胞内のカルシウム及びリンが特異的に光吸収することにより、細胞の致死効率が高まることが推測された。リンは、細胞中DNAの構成元素であることから、リンの内殻吸収による特異的なDNA損傷の生成が考えられる。一方カルシウムはDNA中には含まれておらず、細胞質中のカルシウムの光吸収による致死作用機構の解明が今後待たれる。現在、光照射された細胞中DNAを細胞外に抽出し、突然変異を引きおこす遺伝子の変化を分子レベルで解析中である。